介護保険法にもとづく介護施設には、特別養護老人ホームと老人保健施設、介護医療院があります。特養とも呼ばれる特別養護老人ホームは、地方公共団体や社会福祉法人などが運営しているものが多いです。入居しているのは原則として要介護3以上の高齢者で、看護師の配置は必要ですが24時間常駐する必要はなく、オンコール対応がよく見られるでしょう。
また、老健とも呼ばれる老人保健施設では、要介護高齢者に介護や医療面のサポートやリハビリを行います。社会福祉法人や医療法人、地方公共団体などが運営しているのが一般的です。在宅復帰や在宅支援を目標としているので、原則として長期間入居することはできません。
入居期間が短めなので、ほかの介護施設と比較すると入居者の入れ替わりは頻繁と言えるでしょう。そのため、看護師とほかの部門との密接な連携が必要となってきます。看護師の配置基準については、たとえば100名の定員なら看護師は9人です。
介護医療院は、医療法人や地方公共団体、社会福祉法人などが運営しています。合併症のある認知症や重い身体障がいの高齢者が入居しており、終末期ケアが必要になることもあるでしょう。介護士やケアマネージャーなどとよくコミュニケーションを図りながら、連携してサービスを提供する必要があります。従来の医療サービスに生活の場としての要素が加わるので、入居者のプライバシーやライフスタイルなどに一層の配慮しなければなりません。